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2004年8月・家庭内LANの研修会
家庭内LANの研修会
       
勉強会やホームページの解説記事だけじゃ・・・
 どうも腑に落ちないね、LANを実際に組んでみなくちゃ、納得できないやね・・・等の幾つかのツブヤキから、「『LAN実習』をやろう」と菊地さんの一声となり、教室をお持ちの橋口さんが「最高!素晴らしい、楽しみです、早くやりましょう!」と全面的にお膳立てをして下さることになり、『家庭内LANの実習』の話が進んだ。

 LAN構築を順序だてて実習するために、「2人1組とし、2つのパソコンをつなぐことから始め、各組を序々に接続していって、ネットワーク化を実感できるように」と考えた。1対1の接続は簡単と思われるかも知れないが、それがうまくできれば、LANに必要な知識の6〜7割を習得できるのだから。

 7月4日(日)、橋口教室に18名(うち指導側5名)が集まり、午前10時から3時半頃まで(弁当の半時間位を挟んで)、実質5時間にわたり、持ち寄ったノートPC 13台を1つのネットワークに組み上げた。

 どんな実習であったかを報告し、皆さんが家庭でLANを組むときの参考に少しでもなれば幸いである。

事前アンケートで・・・ LAN実習前のアンケートから
 参加申し込みの方に、何を習得したいかを聞いた。率直過ぎる(?) 程の回答が多く、ITエキスパート揃いのアクティブSITAもネットワークには弱いのかとちょっと思ったが、その心は、皆さん、パソコン講師なので、自分のためより、LANに関しても、きちんと教え、サポートできるようになろうという「前向きの魂胆」がアリアリと読めた。
 そこで、用意した資料は脇に置き、ネットワークを組む楽しさを体験することを第1に、「LAN設定手順」のみを簡単に説明して、作業を開始することにした。案の定、参加者の皆さん、そんな説明など上の空で、早、パソコンを立ち上げ、LANケーブルを引きまわし出す始末。 LAN設定手順
はやる気持ちを抑えて・・・
 先ず、パソコンに設定されているネットワーク関連の項目を記録するよう促した。そうするのは、後で元に戻し、持ち帰った時に元のネットワークにすんなりとつながる様にしなければならないからだ。
 コマンドプロンプト(Win 98ではDOSコマンド)を使うのは初めての人もいたが、ipconfig /all として、表示されたものを書きとめてもらった。それらは、「コンピュータ名」、「ワークグループ名」、「IPアドレス」、「サブネットマスク」、「ゲートウェイIPアドレス」等である。

では、コンピュータ名、ワークグループ名、IPアドレスを・・・
 この表にあるように設定して下さいと解説した。皆さん、急に黙々と取り組み、そして、ワイワイガヤガヤと。
参加者とIPアドレス等の割当  ここでは、13のパソコンに同じワークグループ名をつけることにした。皆が全員つながった時にお互いを見られるようにするためである。(実はこれが少々厄介なことになったが、それは後ほど説明する。)

 IPアドレスの選定は、インターネットに接続するため、橋口教室のADSL回線用ルータを借りることとし、そのIPアドレスが、192.168.0.1 であったので、ネットワークアドレス 192.168.0.0 とし、192.168.0.51 から上を割当てることにした。
 家庭内の様な小規模LANのIPアドレスは、プライベートアドレス192.168.0.0〜192.168.255.255の範囲のものを使うことは、ご存知であろう。また、IPアドレスの割当は、自動取得(DHCP)としてもよいが、実習なので手動で割付設定を経験してもらうこととし、ここでDHCPと手動割当の違いを理解してもらった。

 持ち寄ったパソコンは全てLANアダプタ(正式にはNIC(Network Interface Card)という)を実装しており、TCP/IPプロトコールも組込まれていたので、IPアドレス、サブネットマスク、ゲートウェイIPアドレスの設定もスムースに行なわれた。(Win 98の1台は、無線LANカードが設定されていたので、有線LANカードに変更するのに、うまくドライバがインストールされないので苦労した。)
      
さあ、LAN接続だと・・・
 皆さん、待ちきれなかった様子。Step 1では、当初2人1組を考えていたが、クロスケーブルの数が足りず、ハブで班をまとめることとし、2人以上の班構成で4班に分かれた。「各班内でそれぞれが全てのパソコンが見えますか」と目標設定したら、各班とも、ゲーム感覚?競争意識丸出し? で、ハブにLANケーブルをつなぎ、「マイ・ネットワーク」を真剣に覗き込んだ。

 Win XPだけの川上グループがやはり一番早く、班内の皆のパソコンが見えた(マイ・ネットワークに他のパソコンが表示された)。マイ・ネットワークで他のパソコンが見える仕組みはWindowsネットワークのコンピュータ・ブラウザの働きである。(詳しくは本サイトの連載講座「パソコン・ネットワーク」第3回を参照)

 接続確認の基本は、コマンドプロンプト(または DOSプロンプト)で ‘ping [先方IPアドレス]’ として反応を調べることなので、それを試した。
LAN実習ネットワーク Step1

 Win XPの中にWin 98が混じっている接続は、そう簡単には全てのパソコンが見えなかった。それでも、接続されていることは、pingで確認できた。一様、全部の班で接続が完成した。そして、さらに見えたパソコンの中身、即ち、フォルダ共有の設定の仕方を各班で実行した。Win XPの場合、共有するフォルダのアイコンを右クリックし、「共有とセキュリティ」を選び、「共有」タグの中の「ネットワーク上での共有とセキュリティ」の欄で共有の設定を行うと、他のパソコンから、そのフォルダにアクセスできることを確認した。

 次に、各班をブロードバンド・アクセス・ルータの持つハブ・ポートに集線する段階(Step 2)に移った。
LAN実習ネットワーク Step2  各班が長いLANケーブルでルータまでの接続を行った。すると、「A班のBさんは見えるがCさんは見えない」という風に、様々な「点呼」のような呼びかけが飛び交った。13のパソコンが皆見えるようになるまでにしばらく(15分以上か)かかった。

 これが、コンピュータ・ブラウザの動きで、13個のパソコン中の1つがMB(マスター・ブラウザ)になりブラウザ・リストを生成し、各パソコンはそれを取得しマイ・ネットワークでそれを表示するのだが、それに時間がかかるのだ。

 どうにか、12時を回った頃に完成した。「弁当だ、弁当だ」と腹のすいた人が大きな声を出したら、皆さん、ホッと肩の力を抜いた。(反省:この段階で、pingによる接続確認とMBとなっているパソコンの特定(nbtstat -nコマンド)を怠ってしまった。「弁当だ」の声に気もそぞろになったのでと、エクスキューズする次第。)

プリンタの共有を・・・
 次に行いますと、弁当をいただき落ち着いたところで、再開を催促している顔々に告げた。LANの有用な第1はプリンタ共有だ。橋口さんに借りたプリンタの傍の席であった中川さんのパソコンにプリンタをつないでもらう。

 N:「皆さん印刷できますか?」、他:「いや、中川さん、そうは行かないよ。中川さんが印刷できても、プリンタの共有設定をしなくちゃ、皆は使えないよ。」、N:「そうか、共有設定と・・・」、他:「あ、中川さんのパソコンの中でプリンタがみえた。」、N:「プリンタ電源はONだよ」、他:「テスト印刷します」、N:「あ、出てきた、誰かのテスト印刷だ」という経過。

実習風景1
プリンタサーバを・・・
 導入する「必然性」と「メリット」が分からんとのコメントがあった。今までは、企業等のLANで、大型プリンタに実装されたサーバ機能を使うのが普通であったが、今では、プリントサーバモジュールが安くなったので、家庭内のLANでもプリンタを独立動作させることができるようになった。

 「必然性」はコスト対パホーマンス効果、つまり、あるパソコンにくくり付けのプリンタでは、他から使う時に、そのパソコンも起動しておかなければならないので不経済で、面倒である。ネットワーク上のプリンタになると、無線LANにも独立でつなげ、置く場所も制限されず、隠れた様なところに置いても良く、パソコンから「印刷」OKして、やおらプリンタ電源を入れれば良いなどの便利さを評価したい。 設定も、随分簡単になった。製品により、設定手順の違いがあるので、マニュアルの順序に従う必要があり、基本は理解しておいても、全てを覚えることではない。ここでは、従って、解説を省略(?)。
只今、プリントサーバ設定中、真剣!
実習風景2
手前、まだWin98の設定が変だ!
インターネットへつなぐ・・・
 ADSLモデムは橋口教室に設置されているものを借りて、ルータと接続した。その前に、数名の人が無線LANも試みた。(時間が足らなくなったので、無線LANの設定手順の実習は実質できなかった。次の機会があれば、『無線LAN実習』を実施したい。)
 インターネットの接続は、橋口さんのPCで既に接続設定がされており、問題なくつながった。

 インターネットのWebに接続するために、DNSの設定にゲイトウェイ(アクセス・ルータ)のIPアドレスを用いるとスムースに接続される。アクセス・ルータには、加入ISPのDNSアドレスが設定されてあるので、これを介してスムースに、URLのIPアドレスが取得できるのだ。
LAN実習ネットワーク完成

 午後3時となり、用事のある人はちらほらと帰った。と、今まで全体のパソコンが見えていたのに、見えなくなったり、部分的にしか見えなかったりという現象が出てきた。そして、徐々に全体が見え出してきた。後に考えると、中川さんのPCの電源が切られた時に、ネットワーク上では、MB (マスター・ブラウザ) の交代劇が起こっていたためだった。10台以上のPCを同一グループとして接続すると、このコンピュータ・ブラウザ機能が苦しくなることを経験した。Peer-to-peer方式では、10台位までというのを実感した次第。

喉がカラカラに・・・
 説明したが、いろいろと舌足らずであったと反省しているが、予想以上にスムースに予定時間内で全ネットワーク化が成功したのは、参加された皆さんの頭が常に先行していたからだと称賛する。勿論、幾つかの問題が無かった訳ではない、「まとめ」にも示す様に。インターネットへの接続に関しては、橋口さんが普段使っているものに便乗したので、直ぐに接続できたが、普通はここも手間のかかるところだ。

 参加者の皆さん、真面目に取り組まれ、お疲れ様でした。もう、皆さん、LANには自信がつきましたね。そして、各班の指導者の方、滞りなく進めていただき、有難うございました。

実習風景3
喉がカラカラ、でも皆さんに真剣に聞いていただき感謝!
(巻田 記)

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