(1) コンピュータ一覧を表示させる機能 |
OSインストール時に入力する「コンピュータ名」(半角15字以内)はそのパソコンを特定する重要な項目です。「マイ
ネットワーク」アイコンをクリックすると、ネットワークにつながっているパソコン名の一覧が表示されます。それが「コンピュータ名」即ち「NetBIOS名」のリストであり、「ブラウザ・リスト」と呼ばれます。さらに、これを管理する仕組みがあり、「コンピュータ・ブラウザ」と呼ばれています。(インターネットのウェブ閲覧用の「ウェブ・ブラウザ」とは別物です。ブラウズ(browse:「ざっと目を通す」の意)するものも、いろいろ有りますからね。)
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ブラウザ・リストを見ると、グループ分けにされています。グループ分けにはワークグループとドメインがあり、WindowsシリーズOSで設定の違いが有り、ややこしくしています。
・ 95系ではドメインとワークグループの両方に参加できます。また、それぞれ個別に設定することもでき、この場合には2つのワークグループに参加しているものと、「コンピュータ・ブラウザ」からは見なされます。
・ ホーム系XP HEではワークグループに参加できるが、ドメインの参加設定がなく、機能がスリム化されています。
・ Windows XP Professionalでは、Windows
NT Work StationやWindows 2000 Professionalと同様に、ワークグループか、ドメインのどちらかに所属するよう設定します。
「コンピュータ・ブラウザ」では、ドメイン名とワークグループ名が同一であると、一つのワークグループとして表示されます。
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ところで皆さんは「マイネットワーク」アイコンをクリックし、ネットワークコンピュータの一覧表示(これをブラウジングという)を見ることができますが、その動作設定をしたことはないでしょう。
「コンピュータ・ブラウザ」の動作には、ユーザが設定する部分はなく、ネットワーク化されたPC間で自動的にブラウザ・リストがやり取りされています。
グループ内で1つのPCがブラウザ・リストを管理します。それをマスター・ブラウザ(MB)と呼びます。
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どのコンピュータがMBになるかは、ブラウザ選定という過程を経て決められています。この選定は、Windows
OSのバージョンやOSが起動してからの時間などを比較して行われます。
先ず、1台だけが電源を入れた場合は当然それがMBに成らざるを得ません(その場合のリストには、その1台が載るだけなので、あまり意味は有りませんが)。
次々に他のPCにも電源が入りネットワークに参加してくると、OSにより優先順位が付いているので(サーバ系が最優先で、次はプロフェッショナル系で、最後が9x系およびホーム系)、MBを担当するPCが選定されます。 |
ネットワーク上で稼動している各PCは、定期的に「ホスト・アナウンスメント」を送出します。MBはその情報を集め、ブラウザ・リストを作成します。各PCは終了時に、その削除要求を出します。ところが、PCが正常終了せずに電源を切られた時などには、この削除要求が送出されないので、リストにそのPC名が表示されたままになることもあります。この「ホスト・アナウンスメント」はある周期で行われるので、最新の情報がブラウザ・リストに表示されるまでに時間がかかります。Win
9x系では最大更新周期は15分、プロフェッショナル系やHE系では最大更新周期は12分と言われています。
ネットワーク上のどのPCがMBであるかは、コマンドプロンプトでnbtstat
-n と入力し調べることができます。
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(2) ネットワーク内の資源にアクセスする機能 |
「ブラウザ・リスト」に表示されたコンピュータのアイコンをクリックすれば、そのPCの共有フォルダなどが表示されます。これを可能にする機能は、「コンピュータ一覧を表示する機能」とは別物です。「コンピュータ名(NetBIOS名)」から「IPアドレス」を調べないと、目的のコンピュータにつながりません。「NetBIOS名の名前解決」が必要なのです。
名前解決の方法に4種類あり、これらもWindowsの変遷と関係していて、こみ入っています。皆さんがネットワークの設定をする時に必要な事項なので、知っておきましょう。
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・ WINS (Windows Internet Name Service)
サーバに問合せする方式は、WINSサーバという特別なコンピュータが、NetBIOS名とIPアドレスの対応表を一元管理するもので、家庭用LANの場合、そのようなサーバはないのが一般的ですから、WINSに関する設定は何もしなくて良いのです。
・ ローカル対応表というのは、自分のPCにある「LMHOSTS」というファイルのことです。そんなファイルを作ったことはないと言っても、Windows
OSにはもともとインストールされています。LMHOSTSとは、次のような特徴を持っています。 |
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(a) Windowsの設定ファイルの一つで、ネットワーク上のコンピュータのIPアドレスとNetBIOS名(コンピュータ名)の対応を記述したファイルです。
(b) 相手のコンピュータがルータを超えた場所にあり、ブロードキャストでは名前解決できない場合などに用いられます。
(c) 書式はUNIXで使われるhostsファイルとほぼ同じ(行頭にIPアドレスを書き、ホスト名、改行の順)ですが、NetBIOS固有の情報を記述するための特殊な書式も追加されています。
(d) LMHOSTSファイルは、Win 9xではシステムディレクトリに、Win
NT/2k/XPではシステムディレクトリ\system32\drivers\etcに置かれています。
(e) 「LM」はMS-DOS時代から使われてきたネットワークソフトのLAN
Managerの略です。
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このLMHOSTSは、ネットワーク上のコンピュータが変ったり、IPアドレスが変更されたりすると、ユーザがLMHOSTSファイルを書き換えなければならないという欠点がありますが、ネットワーク状況が固定的ならば、ネットワークへのアクセスが迅速に立ち上がる方法です。 |
・ ブロードキャストを用いる方法とは、例えば、コンピュータA(PC-A)がコンピュータB(PC-B)へアクセスする場合に、PC-AはLAN上の全てのコンピュータに届く「ブロードキャスト・パケット」により「NetBIOS名がPC-BというコンピュータのIPアドレスを教えてください!」と叫ぶと、もしPC-Bが稼動していると「PC-Bは私です。IPアドレスは
xxxxx です。」と返答するので、IPアドレスがわかります。
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・ DNSサーバはインターネットで使われる一般的なDNS
(Domain Name Server) で、そこにWindowsコンピュータ名をIPアドレスと結び付けておく方法です。家庭用で用いることはまずないので、無視してよいでしょう。 |
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コンピュータがネットワークにアクセスする時にNetBIOS名の4つの名前解決方法に優先順位があり、その順序で先方のIPアドレスを探します。NetBIOS名前キャッシュは、起動時にLMHOSTSファイルから読み込まれるものです。そのキャッシュの内容がどうなっているかは、コマンドプロンプト
nbtstat -c で調べることができます。また、自分のパソコンが名前解決にどの方法を使っているかは、コマンドプロンプト
ipconfig /all と入力し、表れる情報の中の「ノード タイプ」(Node
Type)に示されます。その表示は下表のようなものです。
表 示 |
概 要 |
Broadcast |
ブロードキャストだけを使用する |
Point-to-Point |
WINSサーバへの問合せのみを行う |
Hybrid |
WINSサーバへ問い合わせ、だめならブロードキャスト |
Mixed |
ブロードキャストでだめなら、WINSサーバへ問い合わせる |
Unknown |
設定が明確でなく不明の場合 |
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名前がIPアドレスと結び付けられ、所望のコンピュータにつながります。
その前に「ファイル共有」設定や「プリンタ共有」設定をしておく必要がありますが、ここでは説明を省略します。
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