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第6回:家庭内LANの構築手順
1.実習モデル
2.手順の概要
 手順0  現在のパソコンの設定状況を把握
 手順1  LANアダプタの装着確認
 手順2  「コンピュータ名」と「ワークグループ名」の設定
 手順3  「TCP/IPプロトコル」と「NetBIOSプロトコル」および「Microsoftネットワーク用クライアント」と「Microsoftネットワーク用ファイルとプリンタ共有」の組込み確認
 手順4  IPアドレスの設定
 手順5  LANケーブル(コネクター:RJ-45)の接続 および 無線LANの接続
 手順6  フォルダ共有の設定
 手順7  プリンタ共有の設定
 手順8  プリンタサーバの設定
 手順9  ルータの設定、インターネット接続共有の設定
3.おわりに

第6回:家庭内LANの構築手順

 本連載講座の最終回となりました。当初、これまで説明したことの要点を整理しようとしたのですが、それよりも、ある暑い夏の日、アクティブSITAの会員が集まって、13台もパソコンをつなぎ「LAN実習」を行ったので、その時に用意した教材とそこで体験したことを整理し、家庭内LANを構築する際の手順を、実習する様な形式で示す方が、本講座をこれまでお読みくださった方に、より役立つのではないかと考え、「家庭内LANの構築手順」とし、この連載講座を括りたいと思います。

1.実習モデル                                
 家庭内でLANを構築するには、先ず、全体構成をどうするかを、パソコンを使用する家族との関係から決める必要があります。部屋をまたがりLANケーブルをあまり長く引き回すのは外観的にも望ましくないので、導入が容易になった無線LANを組み込む工夫をするとスマートに家庭内LANを構築できます。

ここでは、右図のようなLAN実習モデルを想定し、それを構築するための設定手順を説明します。

LAN実習モデル
 部屋が3つあり、Room_Aの加入電話回線にADSLモデム(ルータ付)を接続し、インターネット接続を行います。Room_ARoom_Bは隣なのでLANケーブルを引き、Room_Cは離れているので、無線LANで結ぶことにします。各パソコンのOSはそれぞれWin 98Win 2k ProWin XP HEとし、プリンタはRoom_ABにあります。 IPアドレス
 パソコンへのLAN設定方法は、Windows OSにより、少しずつ違うので、ここで説明する3つのOS(右表の赤字)以外の場合は同一系列に属すものから類推して下さい。 Windowsクライアント用OSの分類
 LANで接続するパソコン数が一般に10台以下ならば、LAN制御方式は、ピアー・ツウ・ピアー方式(Windowsネットワークのワークグループ)が簡便であるので、ここでもその方式とします。
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2.手順の概
 本連載第1回で説明した右図を再掲しますが、ネットワーク構築の手順は、家の建築と同様、土台(ネットワーク層構造の物理層)から順次設定して行く概念で理解して下さい。実際には、Windows OSがインストールされている場合、Windowsネットワークコンポーネント(通信ソフト)がデフォルトで組込まれており、また、LANアダプタも最近のパソコンには実装済みの場合が大半なので、いちいちゼロからLAN設定を解説するのは現実的でないので、ここでは次表に示す「LAN設定手順」のように、確認作業を行いつつ進めることとします。もし確認できない場合は、実装作業に戻ってから、先へ進むことになります。 LAN構築設定手順
LAN設定手順
手順 0] 現在のパソコンの設定状況を把握
Windows 98》の場合は「プログラム」MS-DOSプロンプト」を、Windows 2000Windows XPの場合は「プログラム」「アクセサリ」「コマンドプロンプト」を起動させ、ipconfig /all と入力するとネットワーク接続設定情報が示される。「コンピュータ名」や「MACアドレス」「IPアドレス」等である。

右図は、PC-03で、コマンドプロンプトに ipconfig /all としたのものである(既に「実習モデル」用に設定してある)。

Tips @]
Windows XPのコマンドプロンプト画面は、右クリックでサブメニュを出し、「オプション」を選び、従来の黒背景と白文字を、好みの配色に変えられる。

Windows 98の場合、「スタート」→「ファイル名を指定して実行」コマンドで winipcfg と入力しても、IPアドレス等が表示される。

ネットワーク接続設定情報
Tips A]
 パソコン内の設定情報(IPアドレス等)を調べるためのフリーソフトがたくさんあり、どれかをインストールしておくと便利。例えば「PCView」(http://homepage2.nifty.com/smallroom/)や「SnaFig」(http://homepage3.nifty.com/metis/contents/soft/)など。

[手順 1] LANアダプタの装着確認
《Windows 98》の場合
@ 「マイコンピュータ」を右クリック
A 「プロパティ」を選択
B 「デバイス マネージャ」タブを開く
C 「ネットワークアダプタ」の中のLANアダプタの実装を確認する。

ネットワーク アダプタが実装されていない場合はLANアダプタを装着し、そのドライバもインストールする必要がある。







《Windows 2000》の場合
@ 「マイコンピュータ」を右クリック
A 「プロパティ」を選択
B 「ハードウェア」タブを開き、「デバイス マネージャ」ボタンを押す
C 「デバイス マネージャ」の中の「ネットワークアダプタ」カテゴリからLANアダプタの実装を確認する。


ネットワーク アダプタが実装されていない場合はLANアダプタを装着し、そのドライバもインストールする必要がある。




《Windows XP》の場合
Windows 2000の場合とほぼ同様。

ネットワーク アダプタが実装されていない場合はLANアダプタを装着し、そのドライバもインストールする必要がある。



LANアダプタの正常な動作を確認するには、ここに表れているアダプタ名をダブルクリックすると、ドライバが正常に働いているかどうかわかる。
LANアダプタの装着確認

[手順 2] 「コンピュータ名」と「ワークグループ名」の設定
《Windows 98》の場合
@ 「マイネットワーク」を右クリック
A 「プロパティ」を選択
B 「識別情報」タブを開く
C 「コンピュータ名」「ワークグループ」および「コンピュータの説明」を入力し、「OK」ボタンを押す。

[Tips B]
「コンピュータ名」と「ワークグループ」は半角英数字15文字以内、「コンピュータの説明」は半角48文字以内とすること。
全角日本語は使わない方が無難。(他のOSの場合も同様)

《Windows 2000》の場合
@ 「マイコンピュータ」を右クリック
A 「プロパティ」を選択
B 「ネットワークID」タブを開く
(最初が「マイネットワーク」ではなく、「マイコンピュータ」である点に注意
「コンピュータ名」と「ワークグループ名」の設定(Win98)
「コンピュータ名」と「ワークグループ名」の設定(Win2000) 「コンピュータ名」と「ワークグループ名」の設定(Win2000)

Windows 2000の場合の「コンピュータの説明」入力は、少々分り難い。

「コンピュータの説明」の設定
@ 「マイコンピュータ」を右クリック
A 「管理」を選択
B 「コンピュータ管理(ローカル)」を右クリック
C 「プロパティ」を選択
D 「ネットワークID」タブを選択し、「コンピュータの説明」欄に入力
「コンピュータ名」と「ワークグループ名」の設定(Win2000)
《Windows XP》の場合
@ 「マイコンピュータ」を右クリック
A 「プロパティ」を選択
B 「コンピュータ名」タブを開く
C 「コンピュータ名」と「ワークグループ」を変更するときには、「変更」ボタンを押す。
「コンピュータ名」と「ワークグループ名」の設定(WinXP)
「コンピュータ名」と「ワークグループ名」の設定(WinXP)
[Tips C
これはWindows XP HE (Home Edition)であるので、クライアント・サーバ方式のネットワークに参加する機能がないので、「ドメイン」設定箇所がない。企業LANでは、多くの場合、クライアント・サーバ方式なので、その場合、クライアントOSとしてはWindows XP Professionalが望ましい。

[手順 3]「TCP/IPプロトコル」と「NetBIOSプロトコル」 および 「Microsoftネットワーク用クライアント」と「Microsoftネットワーク用ファイルとプリンタ共有」の組込み確認

《Windows 98》の場合
@ 「マイネットワーク」を右クリック
A 「プロパティ」を選択
B 「ネットワークの設定」タブを開く
C 「TCP/IP -> LANアダプタ」と「NetBEUI -> LANアダプタ」のプロトコルがインストールされていることを確認する
D 同時に同一が画面から、「Microsoftネットワーククライアント」と「Microsoftネットワーク共有サービス」も表れていることを確認する。
「TCP/IP」と「NetBIOS」の組込み確認

「優先的にログオンするネットワーク」の窓では、「Microsoftネットワーククライアント」を選ぶ。
「ファイルとプリンタの共有」ボタンを押すと、下の画面が表れるので、チェックが入っていることを確認する。
ファイルとプリンタの共有確認
ファイルとプリンタの共有確認
《Windows 2000》の場合組込みネットワークコンポーネントの確認
@ 「マイネットワーク」を右クリック
A 「プロパティ」を選択
B 「ローカルエリア接続」を右クリック
C 「プロパティ」を選択
D 「TCP/IP」が表れているのを確認する。
E 同時に同一が画面から、「Microsoftネットワーククライアント」と「Microsoftネットワーク共有サービス」も表れていることを確認する。

ここで、Windows 2000のインストールのデフォルトでは、「NetBEUIプロトコル」がインストールされていないので、必要ならば、次のように実装を行う。





[NetBEUIプロトコルの組込み]
@ 「ローカルエリア接続のプロパティ」画面の「インストール」ボタンを押す
A 「ネットワークコンポーネントの種類の選択」画面で、「プロトコル」を選択
B 「ネットワークプロトコルの選択」画面で、「NetBEUIプロトコル」を選択し、「OK」ボタンを押す
C 「ローカルエリア接続のプロパティ」に「NetBEUIプロトコル」のコンポーネントが組み込まれたことを確認する。
NetBEUIプロトコルの組込み

《Windows XP》の場合

@ 「マイネットワーク」を右クリック
A 「プロパティ」を選択
B 「ローカルエリア接続」を右クリック
C 「プロパティ」を選択
D 「TCP/IP」が表れているのを確認する。
E 同時に同一が画面から、「Microsoftネットワーククライアント」と「Microsoftネットワーク共有サービス」も表れていることを確認する。
組込みネットワークコンポーネントの確認(WinXP)

[手順 4] IPアドレスの設定
ここでは、DHCP(IPアドレスの自動取得)とせず、手動設定を行うこととする。

《Windows 98》の場合
@ [手順 3]で示した「ネットワークの設定」画面で「TCP/IP -> LANアダプタ」を選択
A その画面で「プロパティ」ボタンを押す
B 「TCP/IPのプロパティ」画面の「IPアドレス」タブを選択し、「IPアドレス」と「サブネットマスク」を入力する
C 「WINS設定」タブを選択し、「WINSの解決をしない」を選ぶ
D 「ゲートウェイ」タブを選択し、ゲートウェイ(ルータ)のIPアドレスを入力
E 「DNS」タブを選択し、「ホスト」に「コンピュータ名」を、「ドメイン」に「ワークグループ」を入力し(ただし、これらの入力は適当でもよいらしい?)、「DNSサーバの検順」には、「ゲートウェイ」のIPアドレスを入力

IPアドレスの設定(Win98)
[Tips D]
ここでDNS設定において、ゲートウェイ(ルータ)のIPアドレスを入力しておくのは、ルータにISP(インターネットサービスプロバイダ)のDNSサーバのアドレスIPが設定されているのを前提としている。ルータ設定の際に説明する。


《Windows 2000》および《Windows XP》の場合
 (これらのOSの設定は同じ)
@ [手順 3]で示した「ローカルエリア接続のプロパティ」画面で「インターネットプロトコル(TCP/IP)」を選択
A その画面で「プロパティ」ボタンを押す
B 「インターネットプロトコル(TCP/IP)のプロパティ」画面で、「IPアドレス」、「サブネットマスク」、「デフォルト ゲートウェイ」を入力する
C 下部の「詳細設定」ボタンを押し、「TCP/IP詳細設定」の「IP設定」タブで、設定したIPアドレス等を再確認
D 「DNS」タブでは、「DNSサーバアドレス」にゲートウェイのIPアドレスを追加し、その他の選択のチェックは付けない
E 「WINS」タブでは、「WINSアドレス」は不要で、「LMHOSTSの参照を有効にする」と「NetBIOS over TCP/IPを有効にする」にチェックを入れる

IPアドレスの設定(Win2000・WinXP)

[手順 5] LANケーブル(コネクター:RJ-45)の接続 および 無線LANの接続
≪LANケーブルの接続≫
PCの設定ができたら、ハブを介して各PCを接続する。各PCのLANアダプタのコネクターとハブのポートをLANケーブルでつなぐ。
LANケーブルは、「カテゴリ3(CAT3)」「カテゴリ5(CAT5)」「カテゴリ5E(CAT5e)」「カテゴリ6(CAT6)」などの規格のものが入手でき、「カテゴリ3(CAT3)」は信号速度が遅いので使うのは避け、「カテゴリ5(CAT5)」以上のケーブルを使うようにする。参考までに、より線(Twisted Pair)のカテゴリの分類表を示す。

CAT (Category カテゴリ)

最大周波数

主な用途

CAT 1

-

電話線

CAT 2

1 MHz

低速なデータ通信用

CAT 3

16 MHz

Ethernet(10BASE-T)Fast Ethernet(100BASE-T2/T4)

100VG-AnyLANTokenRing(4Mbps)

CAT 4

20 MHz

TokenRing(16Mbps)ATM(25Mbps)

CAT 5

100 MHz

Fast Ethernet(100BASE-TX)ATM(156Mbps)CDDI

CAT 5e

100 MHz

Gigabit Ethernet(1000BASE-T)

CAT 6

250 MHz

ATM(622Mbps)ATM(1.2Gbps)

CAT 7

600 MHz

(規格策定中)


ハブとパソコンをつなぐ際のケーブルは「ストレートケーブル」で、パソコン同士をつなぐような場合には「クロスケーブル」を使う。最近のネットワーク機器(ルータやハブ)には、AUTO-MDI/MDI-Xという機能があるので、ストレートケーブルを使っても、クロスケーブルでないといけない結線の場合には自動的に送信と受信を認識して正常に動作する。従って、「クロスケーブル」が必要となるのは、パソコンとパソコンを直接つなぐ場合などのみである。

≪無線LANの接続≫
ここで扱う無線LANは、ハブのポートにつなぐAP(アクセス・ポイント)とパソコンのPCカード(PCMCIAカード)型の子機(ST:ステーションと称する場合もある)から構成されるもので、最も簡単な構成である。
ここでは、詳細な設定手順は省略するが、メーカのマニュアルに沿って進めれば難しいものではない。基本的に、ESS-IDと無線チャンネルをAP側と子機側で同一に設定すれば、接続が行える。セキュリティの設定を行おうとすると、若干難しいが、最近の製品には「簡単セキュリティ設定」を謳っているものもある。

≪接続の確認≫
各PCをハブに接続すると、それぞれのPC間が接続される。「マイネットワーク」アイコンをクリックすると、お互いのパソコンが見えるようになる。これはWindowsネットワークの特徴であるNetBEUIによる表示機能によるものである。

PC接続の確認

[Tips D]
                              
各パソコンの「マイネットワーク」に他のパソコンが表われない場合には、接続の確認を「MS-DOSコマンド」あるいは「コマンドプロンプト」により行う。コマンド画面を起動し、「ping <接続先IPアドレス>」と入力すると、接続されているかどうかが分かる。
これにより、接続が確認されない場合には、最初に戻り、LANケーブル、LANアダプタやハブ等(第1、第2層)に不具合がないかチェックし、TCP/IPの設定等(第3層)にも誤りがないかをチェックする。

pingコマンドで接続が確認されたにもかかわらず、「マイネットワーク」に表われない場合は、NetBIOS、NetBEUI関係の設定(第4層以上)をチェックする。
DOSでのコマンドは、基本的なものであり、ネットワーク構築のために使い慣れておくことが必要である。
pingコマンドによる接続確認

[手順 6] フォルダ共有の設定
ここでは、各PCのハードディスクの一部(D)フォルダをネットワークで共有することとし、そのための設定手順を示す。
フォルダ共有の設定
フォルダ共有の設定(Win98)《Windows 98》
@ 共有したいフォルダを右クリック
A サブメニュから「共有」を選択
B フォルダ(D)のプロパティ画面の「共有」タブの中で「共有する」を選ぶ
C アクセスの種類も決め(ここでは「フルアクセス」)、OKを押す
D 「マイコンピュータ」でのフォルダ(D)が、手でフォルダを支えているアイコンに 変わり、共有できることを示す。
《Windows 2000》
Windows 98と同様に、共有したいフォルダを設定できるが、それだけでは、他のコンピュータからアクセスできない。Windows 2000ではアクセスするユーザ管理があるので、ユーザ設定が必要になる。誰でもアクセスできるようにするには、「Guest」ユーザを有効にする必要がある。

≪「Guest」ユーザを有効にする設定≫

@ 「マイコンピュータ」を右クリックし、「管理」を選択
A 「ローカルユーザとグループ」の「ユーザ」を選択し、右のウィンドウから、 「Guest」を右クリック
B 「Guestのプロパティ」の「全般」タブの中の「アカウントを無効にする」の チェックを外す
Guestユーザを有効にする設定

≪フォルダの共有設定とアクセス設定≫
フォルダの共有設定は、Windows 98と同様であるが、「セキュリティ」設定が必要で、前項の「Guest」に相当するユーザ「Everyone」(なぜ「Guest」と同名にしていないのか不明)を追加する必要がある。
フォルダの共有設定とアクセス設定


《Windows XP》

Windows XP HEの場合のフォルダ共有設定は、ユーザ管理機能がないので、Windows 98とほぼ同様である。Windows XP Proの場合には、フォルダ共有設定は同様であるが、ログインするユーザを管理できるので、ユーザ管理設定をすると、Windows 2000と同様に、特定のユーザしかアクセスできないように設定可能である。
ここでは、ローカルディスク(D)とともに、DVD/CD- RWドライブ(F)も共有設定されていることが示されている。(DVD/CD- RWドライブ等の共有設定は、後述のプリンタ共有設定と同じ手順である。(なお、スキャナの共有には、ドライバの標準化が成されていないためか、高価なネットワーク・ドライバ・ソフトを必要とする模様)
フォルダの共有設定(WinXP HE)

[手順 7] プリンタ共有の設定
本講座での実習モデルでは、プリンタはPC-02にローカル接続されているので、それをネットワーク上で共有使用できるようにする。
「プリンタ」フォルダの中の共有したいプリンタ・アイコンを右クリックし、「共有」を選択し、共有設定する。その結果、当該プリンタ・アイコンが、手でプリンタを支えているアイコンに変化し、共有できることを示している。
プリンタ共有の設定
共有設定により、他のPCから、そのプリンタを見ることができる。例えば、PC-03の「マイネットワーク」の中から「PC-02」をダブルクリックすると、「PC-02」ウィドウの中に共有のプリンタ・アイコンが表われる。これにより、PC-03からもこのプリンタを使い印刷することができる。 共有プリンタのアイコン

[手順 8] プリンタサーバの設定
パソコンに接続されているプリンタを共有で利用する際、そのパソコンの電源も入れておく必要があり、印刷をする時に、いちいちパソコンを立ち上げなければならず、手間である。そこで、最近格安になったプリントサーバをLANに接続しておくと、どのパソコンからも共有でき、パソコンで印刷コマンドを出してから、プリンタの電源を入れても間に合い、簡便である。
ここでは、Room_AにあるPrinter-1にプリントサーバ(Buffalo製 LPV2-TX1)を付けLANに接続する。
先ず、プリントサーバには、IPアドレス(192.168.0.101)の割当設定を行う。
その後、各PCに当該プリンタのドライバをローカルプリンタとしてインストールする。
(ここで示す設定画面は、プリントサーバの製品に依存するもので、一般的なものではない。実際の設定の際には、使用するプリントサーバのマニュアルに従うこと。)

《Windows XP》の場合


@ ローカルプリンタとして設定したプリンタ・アイコンを右クリックし、「プロパティ」をクリック
A 「ポート」タグを開き、「ポートの追加」ボタンを押し、「Standard TCP/IP Port」選び、「新しいポート」をクリック
B 「標準TCP/IPプリンタポートの設定」ウィザードが立ち上がるので、それに従って情報(IPアドレス等)を入力する
C 「ポート構成」では、カスタマイズを選択し、「標準TCP/IPポートモニタの構成」画面で、マニュアルに従って設定を行う
プリンタサーバの設定
プリンタサーバの設定

D その結果、「プリンタのプロパティ」画面の「ポート」タブ内に、「Standard TCP/IP Port」が表れるので、それを選択する

これで、PC-03から、プリンタサーバ付のプリンタを利用することができる。
他のOSの場合でも、ほぼ同様に設定が行える。それにより、プリントサーバ付のPrinter-1が各PCから利用することができる。

ここまでの各PCの接続およびリソース(資源)の共有設定により、お互いのPCにアクセスできるようになった。具体的に見てみよう。

《PC-01(Windows 98)からPC-02(Windows 2000)へのアクセス》

PC-02アイコンをクリックすると、Windows 2000はユーザ管理をしているので、「ネットワークパスワードの入力」画面が表れる。\\PC-02\IPC$ (Inter-Process Communication:プロセス間通信)というリソースへ最初にアクセスし認証が求められる。このパスワードは、PC-01 (Windows 98)へログインした時のパスワードである。この入力に最初失敗すると、以後アクセスできなくなる。その場合、前述したようにWindows 2000で「Guest」ユーザをパスワード無で設定すると、以後、IPCからのパスワード要求がなくなり、アクセスできるようになる。
PC-02へアクセスできると、共有フォルダ(D)および共有プリンタが表れ、PC-01から、それらを利用することができる
PC-01からPC-02へのアクセス

《PC-01(Windows 98)からPC-03(Windows XP)へのアクセス》

Windows XPはユーザ管理をしていないので、Windows 98からのアクセスは問題ないであろう。
PC-03の共有を許しているフォルダおよびDVD/RW-CDドライブを利用できる(ShareDocsフォルダはデフォルトで共有設定されているフォルダ)。
なお、DVD/RW-CDにディスクが挿入されていないと、DVD/RW-CDであるフォルダ(F)にアクセスすることができない。
PC-01からPC-03へのアクセス

《PC-02(Windows 2000)からPC-01とPC-03へのアクセス》 省略


《PC-03(Windows XP HE)からPC-01(Windows 98)へのアクセス》

Windows 98へのアクセスはセキュリティ設定がなく、簡単である。
左図のウインドウで、PC-01の共有フォルダ(D)にアクセスできることが分る。
PC-03からPC-01へのアクセス

《PC-03(Windows XP HE)からPC-02へアクセス》 省略

[手順 9] ルータの設定、インターネット接続共有の設定
ルータの設定、インターネット接続共有の設定 最後がインターネットへの接続である。
各PCをハブで束ね、そのハブをルータに接続し、さらにADSLモデムを介して、インターネットに接続される。

各PCからのインターネット接続共有は、ルータのIPマスカレード(NAPT)機能により可能となる(本連載第2回参照)。また、ルータを介することにより、パケットフィルタ機能により、一種のファイアウォールを設けることができる(本連載第5回参照)。

ルータ設定は、ほとんどの製品で、ルータに接続したPCのブラウザ(例えば、インターネット・エクスプロラ(I.E))から行うことができる(ここに示すのはある製品の一例)。

@ ブラウザのアドレス欄にルータのIPアドレスを入力
A 認証画面が表れるので、マニュアルに示されているユーザ名を 入力


B 「WAN側のインターフェース」の設定画面で、ISPへのログイン情 報とISPのDNSアドレスを入力

C 「LAN側のインターフェース」の設定画面で、LAN内でルータに割 当てたIPアドレス(この実習では、192.168.0.1)を入力
D その他、必要に応じ、パケットフィルタやポートマッピングの設定 を行う



なお、最近はルータが入手し易くなったので、利用価値は下がったが、PCにLANカードをもう一つ搭載し、ルータ機能をも兼ねさせることも可能である。


3. おわりに
 長々とLAN設定手順を書いてきて、このような様式の「手順書」が適当であったかどうかと反省している。しかし、先ず読んでいただき、有益と思われる個所があったら、そのポイントだけを把握され、実際に役立つようだったら、筆者として望外の幸せです。

 6ヶ月にわたる連載は、拙文で読み難いものだったと思うが、辛抱良く付き合って下さった皆さんに感謝いたします。では、これにて、本講座はお開きです!!! またの機会にお会いしましょう。


参考資料

‘はじめてのWindows LAN2’ 岡田庄司著 秀和システム 2003.11.10              
(大変参考になり感謝いたします。)


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